最近、住宅購入を検討し始めた方から相談を受けました。
大震災をきっかけにした住まいへの関心は本能的な感覚が起因しているのでしょう。
その際に用意した
『住宅購入ガイダンス』という簡単なレジメを紹介します。
◎住宅には大きく2タイプあり。
1. 商品としての住宅(ハウスメーカー・デベロッパー)
出来上がったものの中から、購入者の要望・イメージに近いものを探し出す。
選定後直ちに着工準備可能。設計済みなので3カ月程度で完成。
※車を買うのと似ている。
宣伝費や諸経費によって割高(工事費以外の費用の負担大)で敷地適用の自由度は低い。
2. 作品としての住宅(設計事務所+建設会社・工務店)
土地環境を含めたその場所に適合したもの、購入者の要望・イメージを踏まえたオリジナルなものを作り出す。設計してから着工。
完成まで1年程度。
宣伝費や諸経費は割安(工事費以外の費用の負担小)で敷地適用の自由度は高い。
☆一般的な選定フローとしては、
住宅メーカーの商品の中で満足できるかできないか?
できないなら作ろう!
選定検討には購入者自らが求めるイメージを自覚することが重要。
☆住宅評価の基本ポイントは
強・用・美の3点
・強 → 構造(木・鉄・コンクリート)
・用 → 機能・性能(プランニング・内外装下地・屋根・外壁・断熱・開口・エコロジー)
・美 → 造形・空間性・文化性(内外装仕上・環境や場所に適応・街の構成要素・美的表現・個性的・歴史性)
☆傾向として、
商品は強と用に力点。美に関しては既成であるがゆえに限定的。
作品は強と用と美に力点。計画条件(予算と敷地)の範囲内で構想は自由。
☆当事務所にできること
・今回の「まずはご相談・・」といった
具体的な提案以外のものについては、いつでも
相談可能。(通常はメールでのコミュニケーションは無償)
・住宅メーカーやデベロッパーの
商品選定にはセカンドオピニオンを実施。質問や比較検討に対してアドバイス。(※有償)
・
作品づくりに関しては、本業として対応。土地と資金計画の目途が立てば具体的な
建築提案を行います。(※有償)
※作品とは商品に対して『作る』 建築 (品) のこと。
★最後に・・・
設計事務所は設計の独自性のみならず、工事監理業務が特徴。
設計者は施工者と独立したクライアント(建築主)の代理人という立場で、要望や性能をまとめた設計図書通りの工事進捗をチェックする。このプロセスにより施工者が行う施工管理とは異なる立場での確認が可能となり、安心安全な住宅供給が可能となる。
設計と建設プロセスの見えないハウスメーカー商品や建売商品を買うわけではないので、
建築づくりのプロセスを直接(工事監理者による報告も含めて)体感でき、安心安全を納得できる。
このように建築を施工する側から独立した立場で業務を行う設計者(工事監理者)の役割は、クライアント(建築主)との情報共有や説明責任、そしてより一層の安心安全な住宅供給が求められている大震災後の建築づくりにおいて、
益々重要な業務になってきていることを日々実感しているところです。